新井 えっと、あとがきです。
新井素子・あとがきの冒頭
吾妻 (ひっくり返る)
新井 死なないように、吾妻さん。だってあとがきなんだもん。
吾妻 やっぱしそれ言うんですか。疲れちゃった。いきなりドッときちゃった(笑)
吾妻ひでおさんが69歳で亡くなった。「萌え絵の元祖」「不条理漫画」「失踪日記」で語られることが多いと思うが、私にとっては新井素子さんの小説『.....絶句』のイラスト+『ひでおと素子の愛の交換日記』の方であった。読んでいた当時は『ななこSOS』もロリ絵も知らず、普通の(?)イラストレーターさんだとばかり思っていた。
『.....絶句』が最近復刻された際には吾妻ひでおさんの挿絵どうなっていたかな、と確認しようとしたら、大量の本の中から探し出せない。
Twitterでどなたかが言っていたように、ある程度の年齢より上の人には、新井素子さんのイメージはおそらく吾妻ひでおさんのイラストで再現されるのではなかろうか。私も写真の新井素子さんよりは吾妻ひでおさんのイラストが一瞬頭をよぎる。ご本人の作品にはあまり接する機会がなくて、ぎりぎり『ななこSOS』、最近では『失踪日記』。SFや不条理系、ロリコンものの作品は読んだことがなかった。ので、昨夜『失踪日記2 アル中病棟』をKindleで買って読み通してしまった。

- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/10/06
- メディア: コミック
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ラスト3ページで俯瞰→俯瞰→仰角になっているのが、明るさと暗さが同居するすごみがあった。というのは、収録されているとり・みきさんとの対談で言語化されたものを読んだので、受け売りだけど……。絶妙なほの暗さで終わらせるのがすごい。巻末の対談もずっしり読み応えがあり、訃報に接した日に読めてよかったな、となんとなく感じた。